『たいようのだいち』は、状況ごとにときどき迫られる選択と分割ページによって枝分かれするお話を読み進めながら、サバンナの幼い冒険者となって秘境に旅立ち、便利な道具を手に入れたり、精霊と出会ったりしつつ、故郷のまちに忍び寄る異変を解決すべく奮闘する、4才から楽しめるゲーム絵本シリーズの第四弾です。
おおきなバオバブの幹に作られたまちで生まれ育った君たちは、ある朝、故郷のバオバブの葉っぱが黄色くなってしまっていることに気づきました。 何か異変が起こっているようです。
はたして原因を突き止めて、故郷のまちを忍び寄る危機から救うことはできるでしょうか?
勇敢な狩人のマイルーン/優しい羊飼いのイーサ/元気いっぱいの植物博士スマイの3種類からキャラクターを選んで、物語を読み始めます。
読み進める中で、「なにをする?」といった問いが頻繁に発生するたびに、「バオバブのてっぺんまではっぱをみにいく」「まちでいちばんの薬草学者にきいてみる」など、3分割されたページの選択を迫られます。
選択した分割ページをめくることで、物語の展開が変わります。
新たな場所や、さまざまなサバンナの住人との出会いの中で、〈幸運のあみ〉や〈まほうのエキス〉などの便利な道具を入手したり、不思議な力を持った精霊たちと仲良くなったりします。 本の隅のディスクを回してセットすることで、今回の冒険の状態が保存されます。
いったん枝分かれした分割ページの中でも、そうした状態や選択によって、めくるページ数での枝分かれがあったりもします。
こうして、枝分かれしたり、また話の大きな流れに戻ったり、を繰り返しながら、物語を巻末まで読み進めたとき、みごと最良の結末を迎えられるでしょうか?
読み聞かせ役がいれば4才くらいから楽しめて、ひらがなとカタカナが読めれば1人で読み進められるようになっています。
エキゾチックなイラストで描かれたユニークな出会いに満ち溢れたサバンナを舞台に、選んだキャラクターと、要所要所で選択肢を自分で選ぶことで、さまざまに変化する物語展開の楽しさに溢れています。
選択肢での分岐によって得られる「どうぐ」や「せいれいたち」の状態が保存されることで、先々の分岐に影響する点がポイントです。 いわゆる「ゲームブック」のように、ページを行き来したり途中で終わったりすることはありません。 最後のページまでは必ず到達できますが、いろいろな結末が待っています。 「こっちのお話に行かないためには、どこで気を付ければいいんだろう?」と、さかのぼって原因を探る思考を促している点が見事です。 何度もいろんな選択で挑戦したくなるでしょう。
じっくり楽しめる子ども向けとして超おすすめのゲーム絵本です。大人でも十分に楽しめます。
原作のフランス語のニュアンスを活かしたまま、読みやすく、情感豊かに日本語版化しました。 すごろくやの「言葉の品質」を遺憾なく発揮した自信作です。
『たいようのだいち』は「だいぼうけんに でかけよう / Ma Première Aventure」シリーズの第4作目です。 本国フランスでは大人気のシリーズで、すでに5作目まで発行されています。 どれも選択肢を選ぶことで多彩に広がる物語の楽しさがつまっています。
村の守護神として迎えるために崇高なドラゴンを探す旅に出る『ドラゴンをさがしに』
宇宙で遭難してしまったともだち、ロボット族のビーボを助けるために宇宙船フォボスで広い宇宙に旅に出る『フォボスのほしめぐり』
深海に眠る伝説の古代都市を探しに海底探検の旅に出る『アトランティスのはっけん』