ボードゲーム用語集Glossary for BoardGame

このSUPPEや すごろくや で統一して使っている、ボードゲームにまつわる特殊な用語とその意味をまとめました。

目次

1. 基本情報の用語

対象人数
そのゲームを遊べる人数の幅を表します。
ゲームによっては、その人数の幅の中でも「もっとも面白さが味わえる人数」が存在します。
対象年齢
自分の力で攻略を編み出してそのゲームを楽しめる、つまりゲームとして面白いと感じられるかどうかの年齢の目安です。
「遊び方が理解できる年齢」ではないことに注意してください。遊び方の理解だけなら対象年齢はもっと下がります。
実際の対象年齢よりも低めに設定されていることが多いので、すごろくやでは「表記年齢を1.5倍した年齢がちょうどいい」と提唱しています。
所要時間
1ゲームを終えるまでに要する時間です。
実際の所要時間よりも短めに設定されていることが多いので、初めて遊ぶときには、次の「ルール難易度」に応じた遊び方の理解に掛かる時間も含めて、設定の2倍くらいは想定したほうが良いでしょう。
ルール難易度
そのゲームを遊び始めるまでに、ルールや内容物のテキストなどを把握する量やその解りやすさの度合いです。
ほとんどのゲームにはこのルール難易度は書かれていません。SUPPE/すごろくやでは、すべてのゲームに対して独自に、より一般的な観点を心掛けて設定しています。
説明書読みを想定した具体的な所要時間としては、「1.すぐわかる」〜5分、「2.わかりやすい」〜10分、「3.じっくりよむ」〜30分、「4.たくさんよむ」〜60分、レアな「5.超ややこしい」はそれ以上、を目安にしてください。

2. 適性を表す用語

子供も手軽に
大人はもちろん、子供でも手軽に短時間で楽しく遊べるゲームに設定しているラベルです。
子供もじっくり
大人はもちろん、子供でもじっくり考えて挑むと楽しいゲームに設定しているラベルです。
大人が気軽に
大人が気軽に始められ、深くは考えなくとも楽しい盛り上がりを期待できるゲームに設定しているラベルです。
大人がじっくり
大人がじっくりと頭を集中させて挑むのが楽しいゲームに設定しているラベルです。
オトナちょうどいい
大人がほどよくじっくりと頭を集中して楽しめ、1時間以内で終わるくらいの、ボードゲームの満足感として「ちょうどいい」、名作と呼べるゲームに設定しているラベルです。

3. 魅力要素の用語

豪華さ
パッケージやコンポーネント(ゲームに使う内容物)、遊んでいるときの展開に豪華な見栄えを伴う要素の有無を表します。
ロマン
歴史や物語を想起させる大冒険や一大事業の「夢広がる」要素の有無を表します。
動作
身体的な動作で活躍するのが楽しい要素の有無を表します。
記憶の妙
上手に覚えたり、覚えたはずなのに分からなくなったりする記憶の妙が活かされた要素の有無を表します。
知識
人並の知識はあるからこその面白さや、新たな知識を得るのが魅力になっている要素の有無を表します。
協力要素
全員で、または一部の人たちだけでも、人と協力・連携して遊ぶのが楽しい要素の有無を表します。
論理
論理的に考えて選択肢を絞り込んだり、論理的帰結により別の視点に気付かされたりするのが魅力になっている要素の有無を表します。
図形認識
図形やパターンを認識し、空間的な配置や組み合わせを考えるのが楽しい要素の有無を表します。
心理•感性
人の心理の読み合いやウソの扱い、人の感性に思いを馳せることが攻略につながる要素の有無を表します。
駆け引き
お互いの状況や、そこから導かれる選択肢をお互いにある程度判った上で、勝負に出るタイミングを見定める「駆け引き」要素の有無を表します。
戦略•運営
中長期的な戦略計画を立てつつ、さまざまなゲーム内要素を状況に応じて運営するのが醍醐味な要素の有無を表します。
運の楽しさ
サイコロやカードなどによる偶然性が、ゲームに絶妙なスリルや意外性をもたらす要素の有無を表します。

4. 大別に使う用語

ボードゲーム
何人かの複数人で集まって、全員が対等な立場や役割を担い、ルールの手続きに従ってカードやボード、コマなどを自分たちの手でテーブル上に展開・運営することで、個人やグループの勝利などの目的に向け、知恵を使って挑むゲームのことです。
広義として、ボードを広げるわけではなく、カードだけを使うゲームやサイコロだけを使うようなゲームも含みます。
近代ボードゲーム
1980年頃から主にドイツを中心に発展し、今や世界中に広まった、それまでの玩具ボードゲームや理詰めの伝統ゲームとは一線を画す、作者名入りでデザイン性の高い「最大限の知恵を発揮しつつも、大人が子供のように楽しめる」ボードゲームを指します。
海外では:

ヨーロッパの文化圏から誕生したことで「ユーロゲーム」とも呼ばれます。

アナログゲーム
すごろくや/SUPPEでは、広く「屋内・屋外の場所を問わず、人の力だけで遊ぶゲーム全般」を指します。
ボードゲームに限らず、トレーディングカードゲームやテーブルトークRPG、ミニチュアゲームなどを含みます。
豆知識:

「アナログ / Anaglog」の用法としてよく使われる「手作業で」「曖昧で」の意味合いは、辞書的には誤りです。本来は、境界がない「量」的なものを、それとは別の「境界がない量」で表す、明確な表現方法のことです。
デジタル機器の代表としてデジタルコンピュータが普及した結果、今や「コンピュータっぽいものをデジタルと言うらしい」に移り変わり、「コンピュータっぽくないものをアナログと呼ぶ」曖昧な捉え方が多勢になっています。
このことから、すごろくやでは「アナログゲーム」を「コンピュータっぽくないゲーム全般」としています。

理詰めゲーム
プレイヤー全員にすべてのゲーム内の情報が公開されていて、かつ運要素がない、正確無比なコンピュータのような理詰めの攻略が有効なゲームを指します。
『将棋』や『囲碁』『クアルト』などが該当します。
トリックテイキングゲーム
カードゲームの一大ジャンルの名前です。
手札として配られたカードを元に、色やマークなどの指示に沿った上で各自1枚ずつ提示し、その中でより強いカードを出した人が勝ち、という「トリック」と呼ばれる小さな勝負を繰り返すことで総合的な勝敗を決めるタイプのゲームを指します。
そもそも「トランプ」はこのトリックテイキングゲームのために作られたカードセットです。
欧米ではとてもポピュラーなゲームジャンルで、『ハーツ』や『ナポレオン』もトリックテイキングゲームです。
紙ペンゲーム
ルールさえ知っていれば、特別な道具を使用せず、紙やペンといった身の周りのものだけ、あるいは道具すら不要で手軽に遊べるゲームのことです。
商品として販売されているような「商用ゲーム」との対比としても使います。
用例:

「あの紙ペンゲームが、お題が300問入って商用ゲームになったんだって。」

豆知識:

この「紙ペンゲーム」という言葉は、2012年発行のロングセラー書籍『大人が楽しい 紙ペンゲーム30選』のために作った造語です。

ペンマークゲーム/ペンマーキングゲーム
ゲーム内の獲得物を、プレイヤーが筆記具(ペン)を用いて、専用の区切りが設けられたボードやシートなどに印を付ける(マークする)ことで記録する方式を取っているタイプのゲームのことです。
自由なペン書きによって、コマやカードでは表現しきれないほどの種類・量が多いものを記録できたり、形や文字などの要素が定まらないものを記せたりする利点があります。
拡張セット
本体となるゲームと合わせて遊ぶことで、元のゲームをやりこんだ人に対して新たな楽しさを提供する商品です。
基本的にはそれ単体では遊べませんが、まれに単体でも遊べるものもあります。
絶版
特定のボードゲーム商品に対して、メーカーが「今後再生産することはない」と決め、市場の在庫が無くなったあとはもう買えなくなることが確定した状態のことです。

5. 内容物の用語

コンポーネント
ボードゲームのさまざまな内容物の総称です。
マーカー
いろいろな目的で「今の状況」を示すために使う駒のことです。
ボードに描かれた目盛りの上に駒を置いて自分の得点を示したり、自分の担当している色を忘れないように手元に同じ色の駒を置いておいたり、マーカーによって目的や使い方は様々です。
カウンター
現状の何かの値を表すために用いるマーカーのことです。
トークン
ゲーム要素ではあるものの、カードでもタイルでもない、小さな物体のことを指します。
もっと小さなものを「チット」と呼ぶこともあります。

6. テーブル上を区別する用語

手元(てもと)
テーブルの上、自分の目の前の、腕で囲えるくらいの範囲を指します。自分の獲得したカードや内容物の置き場として使われます。
場(ば)
テーブルの中央、全員が見たり取れたりするものを置くための、誰からも手が届く範囲を指します。
ここに並べられたカードを「場札」と呼ぶこともあります。
手札(てふだ)
自分のものとして手に持つカードのことです。
豆知識:

「札(ふだ)」は元々文字を記すための小さな木の板を指す言葉で、その後小さな紙も指すようになり、カード類も「札」と呼ぶようになりました。

山札(やまふだ)
カードを補充するための、積み重ねられた裏向きのカード束を指します。全員が共有するものとして場に置かれることが多いですが、ゲームによっては「各自の山札」もあったりします。
捨て場/捨て山
不要になったカード置き場のことです。

7. ルールや遊び方の用語

手番(てばん)/ターン
1人ずつ順番に巡ってくる「自分があれこれできる番」のことです。
ラウンド
ゲームが終わるまでに何回か繰り返すことになる大きな区切りのことです。
区切りはゲームによって「1人1回ずつ手番を行なったら1ラウンド終了」や「誰かがベルを鳴らしたら1ラウンド終了」などさまざまです。
フェイズ
1回の手番やラウンドの中で、順番に行なわれる「段階」のことです。
各段階は、「アクションフェイズ」や「収入フェイズ」など、名前付きで「すること」が明示されることが多いです。
スタートプレイヤー/スターター
順番に1人ずつ自分の番を行なうとき、最初に始める人のことです。
プレイ
通常、一般的には「遊ぶ/遊び」「動画や音声記録を再生する」の意味で使われますが、ときどき、ボードゲームの説明書などで「カードをプレイする」といった英語由来の使われ方があって混乱しがちです。
カードなどのゲーム要素に対して「プレイ」とあった場合は、「それを手札から出して使うことを他のプレイヤーたちに表明する」という意味で捉えてみてください。
ドラフト
コマやカードなどのゲーム要素を、特定の方式で、選択肢の中から各自の意思で選抜する仕組みです。
ドラフトの方式には、たくさんの種類があります。
どのドラフト方式も、選べる機会が平等にあり、結果、各自にそれぞれ何かしらの獲得物があることが保証されている、という面があります。
代表的なものは「手札回しドラフト (hand draft)」です。ランダムに配られた手札の数枚を元に、各自が最良の1枚を選抜して確保し、残りを隣の人に渡す、また1枚を確保して…を繰り返します。「みんなでカードを回しながら全体の傾向を知った上で、手札の強弱の均衡を保てる」利点があります。
競り(せり)/競売(けいばい, きょうばい)/オークション
コマやカードなどのゲーム要素を、特定の方式で、他の人に渡さないように何かの代価を支払って優先的に獲得する仕組みのことです。
「支払う代価の提示」のことを「入札(にゅうさつ)」と言います。
競りの方式には、「公開入札」「秘密入札」「ダッチオークション」などたくさんの種類があります。

8. ボードゲームの賞

SdJボードゲーム賞 (ドイツ)
ドイツ国内で発売されたボードゲームに対し、選考委員会がその年のベストを選出する、Spiel des Jahres (シュピール・デス・ヤーレス、「本年のゲーム」の意)賞のこと。
世界的にもっとも権威・影響力があるボードゲーム賞で、1979年に発足しました。
主に家族(日本では中学生以上)向けの、1時間以内で終わるゲームが対象です。
「子供向け (Kinderspiel)」と「玄人向け(Kennerspiel)」の別部門の大賞も合わせて選出されます。
アスドールボードゲーム賞 (フランス)
フランス国内で発売されたボードゲームに対し、選考委員会がその年のベストを選出する、As d'or Jeu de l'année (アス・ドー・ジュ・デ・レーニー)、「本年における金のエース」の意)賞のこと。
世界的に権威・影響力があるボードゲーム賞で、1988年に発足しました。
主に家族(日本では中学生以上)向けの、1時間以内で終わるゲームが対象です。
「子供向け (Enfant)」と「熟練者向け(Expert)」の別部門の大賞も合わせて選出されます。
すごろくやゲーム大賞
すごろくやで発売されたボードゲームに対し、すごろくや内の委員会がその年のベストを選出する賞のこと。
2005年発足。
独自性/新基軸性と大衆性の2軸で評価されます。