『戦え!スーパーキャッツ』は、『HANABI』や『世界の七不思議』を作ったアントワーヌ・ボザ氏による、戦隊ヒーローテイストのお手軽カードゲームである。
6つの選択からひとつ選んで、他のプレイヤーと同じものを出してしまったら実行できず、そうでなかったら実行する……を繰り返す(ゲーム用語で「バッティング」と呼ばれるシステム)。これだけなのに、だんだんお互いの手の内がわかるようになって、「よし!」「チクショー!」と思わず声が出るほど白熱して盛り上がる。『ハゲタカのえじき』をちゃんと考えながら遊んでじっくり楽しめる人なら、この『戦え!スーパーキャッツ』を猛プッシュしておきたい。
ゲームの流れとしては、前半戦と後半戦に分けられている。前半は全員で対戦し、後半は1人対2~5人の非対称型チーム戦になるが、やることはかけ声とともに手(指)で数字を表して一斉に出すだけ。同じ数字を出した人がいるかどうかで効果が変わる。あとはこれを繰り返す……という簡単なシステムだ。
前半の「プレイヤー全員で対戦」では、各プレイヤーが自分の場にネコカード(すっごく可愛い!)を5枚置く。手を使って"0"(グー)から"5"(パー)までの6つの数字のうちのどれか一斉に出す。ここで他プレイヤーと被ったらその人たちは何もできず。かぶっていなかった人の中で、一番大きな数字を出したプレイヤーは数字に応じた効果が発生し、ネコカードを裏返して「ヒーローキャッツ」に変身させることができる。これを繰り返して、誰かが5匹とも変身させたら後半戦へ突入、となる。
この数字にはそれぞれ効果が設定されている。たとえば"0"を出して自分以外全員がかぶって効果発動できなければ一気に2匹のネコを変身させられ、"1"なら1匹変身させて次のラウンドは両手を使ってよし、"5"なら1匹変身できるけど次のラウンドは必ず2を出さなければならない……といった具合だ。
かぶらなかったときを想定すると、なるべく大きな数字を出してネコを変身させたい。だが、それは他のプレイヤーも同じことを考えているはず。
「みんなの状況からして、"3"なら一番大きい数字になるか?」
「いや待てよ、いっそ"0"を出して2匹変身させる?」
「でも"0"は自分以外全員かぶってないとダメだし」
「だったら"2"がいい? でもかぶってない"3"とか"4"がいたら意味ないし」
あああ、もうどうしたらいいんだ!なんて悩んでいるあいだが、本作で一番楽しいところであろう。
後半戦は、前半戦で5匹ともヒーローにさせたプレイヤー vs 敵の巨大ロボット「ロボドッグ」に乗り込む残りのプレイヤーという対戦になる。これもシンプルな遊び方で、ヒーローはかぶらなければ出した数字のぶんだけロボドッグに攻撃を与えられ、かぶってしまうとネコの変身がどんどん解除されてしまう。ロボドッグに12ダメージを与えたらヒーロー側の勝ちで、ヒーローキャッツ5人の変身を全員解除させてネコに戻したら敵チームの勝ちだ。
この後半戦こそが本番で、毎回かなり白熱した戦いになる。ヒーローは誰かとかぶらなければOK。ロボドッグ側はヒーローとかぶればいいのだが、事前に相談することはルール上NG。誰もヒーローとかぶらない事案が発生すると、「お前が"4"を出さないから!」「だったらお前が出せよ!」なんて言い争いになる。こんなところも、じつに戦隊ヒーローっぽい。
手を使って数字を表すので、ジャンケンみたいな運要素だけのゲームかと思ったのだが、まったくそんなことはなかった。この絶妙なゲームシステムによって、独特な読み合いが発生してくる。気が付けばみんなの手の内が読めてくるので、思い通りにいったときが何とも気持ちいい。1回でもそれがあれば、例えゲームに負けたとしても気持ちよくなれる。「試合には負けたけど勝負には勝った」みたいなアレだ。
勝っても負けても「もう1回!」とおねだりしたくなること間違いなしの1作と言えよう。
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