『ダニー』は、各自、多重人格に苦しむダニーの頭の中に住むそれぞれの副人格となり、交代で抽象記憶像カードを何枚か自由に組み合わせてお題を当ててもらう「明確には分からない問答」を繰り返しながら、1人だけ不正解への誘導を目論む主人格ダニーが誰なのかを特定する、狂気と正気がせめぎ合うカードゲームです。
単体で遊ぶことはもちろん、拡張セットとして合わせても遊べる、映画をテーマにした『ダニー:映画を想う』もあります。
全員に役割を決める人格カードを1枚ずつ裏向きで配り、自分だけこっそり確認することで〈ダニー〉1人とそれ以外の〈副人格〉の役割に分かれます。
自分以外の誰がどの役割なのかわからない中で、1人が出題者、その他が回答者として、言葉当てを繰り返していきます。 この言葉当てで、〈ダニー〉は不正解を目指し、他の〈副人格〉たちは〈ダニー〉が誰なのかを探りながら、正解を目指します。 先に言葉当てを6回成功させるか、3回失敗してしまった後、〈ダニー〉が誰なのか多数決で当てることができれ〈副人格〉たちの勝ち、3回失敗させつつ自分が〈ダニー〉であることを隠し通せれば、〈ダニー〉の一人勝ちです。
1人の出題者がみんなに公開された5つの言葉のうち、正解の1つを確認し、その言葉を不思議なイラストが描かれた記憶カードの組み合わせや配置で机の上に表現します。
それを見て、出題者以外のみんなで相談をしながら正解の言葉を予想しようとしますが、みんなの意見の中には不正解へ誘導したい〈ダニー〉の意見が潜んでいるかもしれません。 出題者が〈ダニー〉だったなら、あえて勘違いしてしまいそうな配置にしているのかもしれません。
自分以外の言動に注意して、疑心暗鬼になりながらも、正解の言葉を導くことができるでしょうか?
言葉を表現するためにつかう記憶カードは、主人格であるダニーの記憶が一言では説明できない取り留めのない夢のようなイラストで表現されています。
出題者は、この記憶カードを表向きに使っても、裏向きに使っても構いません。 〈副人格〉ならば、仲間に分かってもらえるように、〈ダニー〉ならば、疑われない程度にわかりにくく、お題を表現していきましょう。
副人格たちが結束して正解を導き出したいものの、曖昧にしか組み合わせられない抽象記憶像の解釈が悩ましいため、誰もが主人格ダニーに思えてしまい、「なにその解釈? 君がダニーでしょ!」「いーや、君のほうが頭がおかしい。ダニーだ!」といった軽妙なやり取りが楽しくて盛り上がる独特のゲームです。 病んだ精神世界を表すような白と黒を基調としたコンポーネントと、夢に出てきそうな大人な記憶像のイラストもポイントです。
手軽に楽しめる大人向けとして超おすすめです。