『スカイチーム』は、機長と副操縦士にわかれて、サイコロ振りの結果を、暗黙の連携で交互に飛行機の各種パラメータに割り当てていき、空港までの距離、機体速度やフラップ、ブレーキといった様々な条件を、着陸に向けて最適化することを目指す2人用の協力ゲームです。
1人が機長役、もう1人が副機長役として、協力してカナダのモントリオール・トリドー空港への着陸を目指します。
飛行機を安全に着陸させるためには、
主翼のフラップ4つと着陸時に機体を支えるタイヤ3つを全て展開すること
ぴったり空港にたどり着いていること
着陸時に機体が水平になっていること
ブレーキの強さより滑走路への進入スピードが緩やかであること
の4つの条件を満たさねばなりません。
機長役は青いサイコロ、副機長役はオレンジのサイコロを互いに隠しながら振り、順番に1個ずつ操作板の自分の担当する箇所に配置しては、配置した場所に応じた操作を行なっていきます。 場所によっては配置できる出目や配置順に縛りが設けられており、全ての条件を達成するためには先々を見通す計画性とサイコロの出目に応じた臨機応変さの両方が求められます。
お互いが全てのサイコロを配置し終えたら、1ラウンド終了。
7ラウンド終了時点で、全ての条件を無事満たすことができれば着陸成功です。 その前に、空港に近づきすぎてしまったり、他の飛行機と衝突してしまったりしたら着陸失敗となってしまいます。
フラップを切り替えたり、空港までの距離を縮めたり、他の飛行機を退かしたり…、安全に着陸するためにやるべきことはたくさんありますが、1ラウンドで配置できるのは各自4個のサイコロのみ。
また、そのうち2個は飛行機を動かし続けるために毎回必ず〈エンジン〉と〈機体傾度のコントロール〉に割り当てねばなりません。 しかも、この〈エンジン〉と〈機体傾度のコントロール〉はお互いが配置した出目の合計や差分によって機体の速度、バランスが変化していきます。
これらをうまく調整しながら、着陸準備を整えるためにはお互いの綿密な連携が必要不可欠ですが、実は、このゲームでは、毎ラウンド、ひとたびサイコロを振ってしまったら、その後の相談は一切してはいけないという縛りが設けられています。 サイコロを振った後、出た目をお互いに見せ合ったり、配置順を相談したりはできないのです。
そのため、成否の行方は、サイコロを振る前の方針の擦り合わせとお互いの判断力にゆだねられます。 「左翼が下がり気味なので調整しよう」「そろそろ速度を上げて空港への距離を縮めよう」と、さながら本物のパイロットのように、機体の状況を分析して方針を擦り合わせ、自分の出目結果と相手が配置するサイコロから推測できる相手の状況に鑑みて臨機応変に判断できれば、きっと着陸を成功させられるはずです。
モントリオール・トリドー空港への着陸が成功した後も、まだまだ挑戦は続きます。
同梱の「フライトログ」に収録された上級ルールで挑戦するシナリオは全21種。 日本の国際空港「羽田空港」への着陸から、世界でいちばん着陸が難しいと言われるブータンの「パロ空港」まで、世界各国の空港への着陸に挑戦できます。
空港によって、滑走路が短いために速度調整がより重要になるルールや、横風が強く機体のバランス維持の難易度が上昇するルールといった追加要素が設定されており、より高度な連携が求められることでしょう。
刻一刻と変わる機体の状況を正確に判断しながら、相手の状況を推測しつつ、サイコロの結果を臨機応変に割り当てていく悩ましさや、困難な状況を暗黙の連携で乗り切る緊張感が楽しいゲームです。 また、着陸に向けたリアルな機体状況の調整作業が巧みにゲームの仕組みとして落とし込まれており、誰もが、幼い日に一度は抱いた「パイロット」へのあこがれを思い出させるようなロマンに溢れています。
上級ルールによってさらに手強い難易度が楽しめるシナリオが21種も入っているのも嬉しいポイント。
じっくり楽しめる大人向けとしてとてもおすすめです。
その高いゲーム性と、複雑な航空機操作を巧みに抽象化して落とし込んだ手腕、そしてゲーム愛好家も納得の歯応えが評価され、世界でもっとも権威・影響力があるドイツのボードゲーム賞、SdJボードゲーム賞2024年の大賞を受賞しました。 また、世界最大級のボードゲームレビューサイト『BoardGameGeek』のユーザー投票で選定される「ゴールデンギーク賞2023」の「2人用ゲーム部門」と「協力ゲーム部門」でも、堂々の2冠に輝きました。
本体の内容物を使って遊べる追加シナリオ集です。『フライトログ』の6〜8ページ記載のシナリオと同じように使用してください。
本体の内容物に加えて、新たな空港の「進入トラック」をプリントアウトして遊べるセットです。 1つの空港につき、シナリオ1枚と進入トラック1枚がセットになっています。プリントアウトし、はさみで切ってご利用ください。
箱側面の内容物一覧に誤記があります。 上級ルール用の内容物「振り直しタイル」の枚数は1枚が正しい枚数です。