『ウーウーカンカン!』は、消防車に乗って火事現場まで、渋滞だらけの道路を避けながら走らせる協力型ボードゲームです。
保育園の2、3歳児クラスで大人気のこのゲーム。その魅力と大人の関わりのポイントを紹介します。
このゲームの魅力は、なんといっても木でできたかわいい消防車のミニカーです。箱を空けたら子どもたちはきっとこの消防車を自由に走らせて遊ぼうとするはずです。
タイルを並べて、自分独自の道を作り始める子もいるでしょう。
大人の関わりのポイントは、この子どもの自由な遊びを妨げないことです。
幼児のお子さんの興味の中心は、目に見えないゲームのルールよりも、目に見えて動くおもちゃのほうにあります。
そこでまずはおもちゃとして遊んでもらい、欲求を満たすとともに、「消防車が道路を走って行く」というゲームのコンセプトを理解してもらいましょう。
しばらくして子どもの自由な遊びが一段落してからルール説明を始めれば、子どもたちはスムーズに話を聞いてくれることでしょう。
このゲームのもう一つの魅力は、ルールのわかりやすさです。道路上で車が渋滞していて動けなかったものが、タイルをめくると車が消え、まっさらな道が現れます。『ここに車を進めていいんだよ』ということが視覚的にわかりやすいのです。このことは、まだ言葉だけの説明ではルールを充分に理解することが難しい小さなお子さんが、楽しんでルールを守り合いに参加できることにつながります。
『ウーウーカンカン!』の3つ目の魅力は「協力ゲーム」であることです。協力ゲームとは、プレイヤー同士で勝敗や順位を競う代わり、全員が共通の勝利(火事が拡がる前に現場に到着する)に向かうタイプのゲームです。このことはこのゲームの対象年齢である3歳前後のお子さんにとって特別な意味をもちます。
なぜなら、この時期のお子さんの多くは、まだ勝敗や順位と言った「他者との関係で決まる概念」を理解できない場合が多いからです。試しにゲーム中「今誰が一番?」と聞くと全員が同時に手をあげてしまうことがよくあります。逆に言えば、負けても、他の子が勝ったのになぜ自分が負けたのかがわからず、泣いたりかんしゃくを起こしてしまいやすい時期でもあります。
その点このゲームは、全員が勝ったり負けたりするので、他の子や大人の様子をみることで、勝敗がわかりやすいのです。
さらにわかりやすくするためには、大人もプレイに入り、火事が燃え拡がる前に現場に到着できたら「到着しました!火を消すよ!シューッ!」と消防車を動かして消火の様子を見せましょう。
自分たちが成功できたことが子どもたちにわかりやすく伝わり、一緒に勝利を喜ぶことができるはずです。
このように『ウーウーカンカン!』は、小さな子どもたちの興味を惹きつつルールの世界に誘い、ゲームを楽しむ上で必要な勝敗の理解を促すことができる、大変優れたゲームだと言えるでしょう。
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