『バラージ』は、第一次世界大戦後のヨーロッパを舞台に、欧米列強諸国の国営電力企業を率いて、再稼働に時間を要する重機資源の使い所や、水源の貯水状況と流水経路なども見極めながらダムや発電所を建設し、水力発電によって蓄積したエネルギーで契約を達成していくゲームです。
各自、アメリカやドイツといった第一次大戦後の世界を代表する列強諸国の国営電力企業のCEOとして、技術者を配置してはダムや水力発電所、そしてこれらをつなぐ導管といった設備を建設していきます。
特にダムの建設は一筋縄ではいかず、まずは基礎工事を行なってから更に上部構造を作らなければなりません。地形によって建造コストが大きく変わるため、現実世界同様、土地を巡る争いは厳しいものとなるでしょう。
さらに、建設に必要な掘削機やコンクリートミキサーといった「重機」は、いったん稼働させると一定期間再利用できないため、きわめて計画的な運用が求められます。
やっとの思いでダムや水力発電所を建設しても、肝心の水が流れてこなくては宝の持ち腐れです。「流水管理」のアクションで、上流から下流に至る水の経路も考えながら、可能な限り自分のダムが恩恵を受けるような水の配置を行ないましょう。各企業ごとの特殊能力やサポート役の「重役」もうまく活用しながら、できるだけ効率的なエネルギー生産を目指し、蓄積したエネルギーによる契約達成などを通じて勝利点を一番獲得したCEOが勝利します。
最初の乏しい資源を何とかやり繰りしながら熾烈な建設競争を凌ぎ、他の会社を抑えてボーナスを獲得できたときの達成感にはひときわ大きいものがあります。
じっくり遊ぶ大人向けとしてかなりおすすめのゲームです。
重量級のゲームが好みの方にはたまらないじりじりとした厳しさが終始あります。効率の良い資源の運用、手番をうまく読んで相手出し抜くこと…初めてのゲームは序章にしかすぎません。2度3度繰り返すたびに見えてくるものがある、そんな奥の深いゲームです。
(はぎ/好きなゲーム:ブルゴーニュ、ボトルインプ、コリドール)世界最大のボードゲームファンサイト「Boardgame Geek(ボードゲームギーク)」にも、10点満点の高評価コメントがたくさん寄せられています。
新たな企業・重役・外注重機・私有建物を追加する拡張セット『レーフワーテル計画』もあります。