『ウミガメの島』は、島の周りの周回コースを舞台に、自分のウミガメをサイコロで進めて何度も何度も回りながら、産卵ポイントの好条件具合や他カメへの〈乗っかり〉を考えたサイコロ追加振りのうまみとリスクに悩みつつ、より多くの卵を産ませるゲームです。
1974年にドイツのラベンズバーガー社から発行された名作ゲーム『冷たい料理の熱い戦い / Die heisse Schlacht am kalten Buffet』のリメイクタイトルです。
島周囲のカメ印をマスとして、ボード右下のいかだからスタートし、双六方式で自分のウミガメ駒を進めてゴールである産卵場所を目指しましょう。ゴールには得点として「いくつ産卵できるか」が示されたカード1〜6点分がランダムに1枚提示されています。いち早くここに着地・通過できた人がこの得点をもらえます。これを何度も繰り返して集めた得点合計(=たくさん産めた数)を競います。
カメを進めるにあたってポイントになるのが、出目破綻を伴うサイコロの追加振りです。1〜6の通常サイコロをまずは普通に1個振ります。もしさらに望むなら、2個目、さらに3個目のサイコロを振って合計しても構いません。ただし、その結果、出目合計が8以上に達すると、なんとスタート地点に戻されてしまいます。
そんな危険を冒したくはないものの、実は〈2個振って成功なら出目合計が2倍(=最大14マス)〉〈3個振って、なら3倍(=最大21マス、すなわち必ずゴールする)〉という、とてつもなく大きいご褒美がぶらさげられているため、ついつい夢を見て、2個目、3個目を振ってしまうのです。
さらに、同じマスに着地すると、カメ同士が上へ上へと重なっていきます。
積み重なった状態だと、もし自分が進むなら、おぶっているカメたちも一緒に連れていかなければなりません。しかも、もしゴールできたとしても、一番の上のカメしかご褒美をもらえません。
こんな不利な状態ならば、さっさと出目合計を破綻させて おぶっている全員もろとも振り出しに戻したいところです。しかし、この場合のサイコロ追加振りの判断は〈一番上に乗っているカメの持ち主〉が決めるため、やはり下にいるカメは扱き使われることになってしまいます。このような、乗れるか/乗られるかも考えてカメを進められるようになると、さらに深みを増していくでしょう。
こうしてゲームを続けていき、得点カードが尽き、さらに最後のゴール高得点が獲得されたらゲーム終了。もっとも得点を集めた人が勝ちです。
ついつい欲に駆られてサイコロ追加で玉砕したり、奇跡の出目で高得点をかすめ取られたりと、リスクとご褒美の駆け引きがほどよく楽しめて盛り上がるゲームです。わいわい言いながらじっくり遊べる、子どもから大人まで幅広い年齢層向けとしてかなりおすすめです。