パリ。その名を耳にするだけで、多くの人がまず思い描くのは、エッフェル塔、凱旋門、セーヌ川の畔、そして石畳の小道と、その両脇に立ち並ぶ趣深いアパルトマンではないでしょうか。そんなパリの街を舞台に、屋根から屋根へ飛び移り、財宝を盗み出すスリリングなボードゲームが「パリの屋根」です。
このゲームは、プレイヤーがパリで暗躍する怪盗となり、山札からカードをめくるたびに手に入る財宝を集めることを目指します。しかし、欲張りすぎは禁物。カードをめくり続けることで警察に捕まってしまうリスクが高まる、いわゆるチキンレース要素がこのゲームの醍醐味です。「もっと欲しい」「まだいけるか」というギリギリの判断が、プレイヤーに悩ましさと緊張感をもたらします。
また、「パリの屋根」の面白さは、単に自分の手番でカードをめくることだけにとどまりません。自分が確保しなかったカードは他のプレイヤーに分配されるというルールが、互いの手元を睨みながらの駆け引きを白熱させます。いらないカードを他のプレイヤーに押し付けたり、警察に捕まることを誘発させたりと、プレイヤー間の干渉が強く、相互に影響し合う面白さが際立ちます。
怪盗たちは、各お宝を種類ごとにたくさん集めることで得点を得られる仕組みも存在します。特定の色の財宝を一番多く集めることが勝利への鍵となりますが、その色に警報ベルのアイコンが3つ含まれてしまうと、せっかく集めた財宝が没収されてしまうというリスクも常に隣り合わせです。
金色の箔押しがあしらわれた美しい箱にぎっしり詰まった内容物のデザイン性の高さも、「パリの屋根」の魅力の一つです。対象年齢は10歳以上で、2〜4人用、プレイ時間は約25分と比較的短時間で楽しめるため、大人がじっくりと戦略を練る悩ましさと、気軽に遊べる手軽さを兼ね備えています。
「パリの屋根」は、お宝を集めることとチキンレースというゲーム要素が巧みに組み合わさり、シンプルながらも奥深い駆け引きが楽しめる作品です。パリの夜空の下、スリルと財宝を巡る怪盗たちの物語を、ぜひ体験してみてはいかがでしょうか。
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