二兎を追う者は一兎をも得ず。
虻蜂取らず。
貪欲は必ず身を食う。
「欲張ると上手くいかない」という主旨の言葉がたくさんあるのは、きっと欲張った結果上手くいかなくて、がっかりしたり、後悔したりしてきた先人がたくさんいたからなのでしょう。
そうはいっても目の前に魅力的な選択肢が提示されたら、どうしたって心が揺れてしまいます。
テーブルを囲む全員が欲と理性のはざまで揺れ動いているのを敏感に察知して、まんまと裏をかけるのか?
『ハバナ』では、そんなヒリヒリとした駆け引きが楽しめます。
キューバ共和国の首都ハバナで繰り広げられる建築競争を制するためには、いかに効率よく資源を集めるかが重要です。
そのために有用なのが、〈共通の資源置き場〉。
ゲームが進むにつれて、ここに資材ブロックやコインがたまっていきます。
全員が同時に提出し、「行動の順番」と「何をするか」を同時に決めるアクションカードの中には、置き場にたまった資源をごそっと獲得できる効能をもつものがありますが、このカードに割り当てられた数字は「8」と「9」。
提出したカードの数字が小さいほど先に行動ができるため、なかなか有利な数字とはいえません。
もし、誰かと思惑がかち合って、そのうえ行動順がおそくなってしまうと、ほしかった資源が早い者勝ちでとられてしまうかもしれません。
一方で、より先に行動ができる0や1といった小さい数字のカードには、「効能なし」「盗まれないように手元の資源を守る」といった、あまり強力とはいえない効能ばかり。
行動の早さか、それとも効能の強さか、お互いの狙いを読み合って機を見る鋭さが求められます。
読み合いにさらに深みを増すのが、「ラウンド終了時、提出していた2枚のうち、1枚は次に持ち越し、もう1枚は捨てる」というルールです。
次に必要なのは何か、中央に並んだ建物カードの需要やお互いの手元の状況を睨みながら、慎重に捨てるカードを選んでいくのですが、思い通りにならないのがゲームのおもしろさ。
お互いに何を残したのかを知っている状態で次の一手を選ぶため、まんまと裏をかかれたり、こんなはずではなかった!という展開が巻き起こります。
あの時ああしていれば……
こっちを選んでいれば……
人生は選んだ道の先にあり、選ばなかった道に後ろ髪を引かれるのが人の常。
後悔するからこそ、次はどうしようかと未来を変えることができるのです。
欲を駆き立てる誘惑がつまっていたり、お互いの思惑が混ざりあって予期せぬ展開が巻き起こったり、大人が真剣に頭を悩ませる考えがいがつまった名作です。
きっと、「こうしたらこうなるし、あれも魅力的だし……」と、ぶつぶつ独り言を呟いてしまうはず。
ぜひ遊んでみてくださいね。
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